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埼玉県の”狭山茶”(さやまちゃ)は、
静岡茶、宇治茶と並ぶ日本三大銘茶のひとつ

2024年12月20日 更新

狭山茶は、埼玉県西部(入間市、所沢市、狭山市)を中心に生産されています。
日本三大銘茶のひとつと言われ、「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」と茶摘み歌の一節としても昔から生活の中で親しまれてきました。

狭山茶の自社農園・工場・カフェなどを運営されている、埼玉県・所沢市の新井園さんの茶摘み&工場見学へ。(2024年5月訪問)

茶摘みの時期は4月下旬~5月上旬。”夏も近づく八十八夜”とは、立春から88日目、という意味です。
今回、新井園さんのご厚意で、当社スタッフも茶娘の衣装に着替えて茶摘みを初体験!

親指と人差し指の腹でやさしくつまんで、手首をひねりながら折るように摘んでいきます。
手摘みのお茶は”旨み”が違い、新井園さんでは100g・3,000円~の高価格で販売されています。

「工場見学」
※お茶の種類によって工程が異なります。

【蒸し機】
集められた茶の生葉を蒸器で蒸す。生葉の中に含まれる青臭や悪臭を取り除き、茶葉の柔軟性を増加。

【粗揉機(そじゅうき)】
茶葉に打圧をかけることにより、茶葉を揉みこむことができます。揉みこむことで、葉の中の水分を出しながら、少し弱い熱風を出すことによって茶葉を乾かしながら次の工程へ。

【揉捻機(じゅうねんき)】
茶葉におもりをかけて、茎の中に残っている水分を出す。茶葉の水分を均一にしながら形を整えます。

【中揉機(ちゅうじゅうき)】
茶葉を機械の中でゴロゴロと転がしながら、弱い風を送りお茶を細くするように揉む。

【精揉機(せいじゅうき)】
手もみの要素を取り入れた巧妙な動きをする機械で、葉に熱を加え、形を整えながら乾かします。
生葉に約70%あった水分が約5%に。

甘くて濃厚な味とコクのある狭山茶。同じ生葉から工程によって、こんなにたくさんの種類のお茶が出来上がります。
玉露、かぶせ茶、深蒸し茶、煎茶、ほうじ茶、抹茶、ふわ茶、茎茶、番茶など。

工場見学の後、西武鉄道・池袋線・小手指駅の近くに運営されているカフェに伺いました。
お茶が練り込まれているクリームパスタ、抹茶のアフォガード、かき氷。特に、店内で点てた濃厚な抹茶は、風味もよくて濃厚、ほどよい苦みがクセになる美味しさでした。

すてきな笑顔が印象的だった故・新井重雄さん(前代表取締役)。
初めて会った私たちを快く歓迎してくださり、冗談まじりでいろいろなお話を聞かせていただきました。
1996年に天皇杯を受賞した時に、天皇皇后両陛下にお会いしたお話、2021年秋の叙勲では「旭日双光章」を受章され、記念に作ったというお菓子の話。
取材に来たことを忘れるくらい、気さくでユニークで豪快で・・・本当に楽しい時間でした。

新井重雄さんのご逝去を悼み、心よりお悔み申し上げます。